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伊豆大島・まっしろなブログ

伊豆大島に本社をつくり、地域おこしの会社をやっています。ぜひ伊豆大島へ!

タカラトミーに学ぶ…20代の若手女性社員でも会社を動かす方法

ちょうど今日のお昼の12時くらに日経で出たニュースです。

握って羽根を回す手動扇風機 タカラトミー /

一瞬で内容は分かりますが、夏祭りとかで、首から下げられる、乾電池で動く小さい扇風機を持っている人って結構いましたよね。それの動力が乾電池ではなくて握力になった感じのものです。1回握れば羽根が50回転するのだそう。かなりのもんですね。

「これじゃぁ、疲れない?」みたいな疑問はさておいて……

今回書きたいのは、「たとえ大企業の中にいても行動力と戦略さえあれば、20代の社員でもすばらしい商品を生み出せる」ということです。

 

・20代が会社を動かす

 

「お、タカラトミーか、なんかいいのがあった気がするなぁ。」と記憶を頼りに本棚から引っ張り出してきました。NTT出版の『思いどおりに働く!』という本。副題は『20代の新世代型仕事スタイル』

この本の内容は、当時(2010年)にまだ20代でバリバリに仕事で成果を上げている10組(11人)にスポットライトを当てて、その人たちの働き方を紹介したものです。ちなみにこの中で例えばnanapiの古川健介さんなんかも紹介されています。

当時僕は大学生だったのですが、この10人の中の1人に日頃からお世話になっていた(仕事を教えてもらったり、家庭教師をさせてもらえるお子さんを紹介してくれたりと金銭的に助かっていたので頭が上がらない…汗)というのと、ちょうと僕はその年に20歳になったので、「そろそろマジメに仕事っていうものについて考えなきゃなぁ~。」と思っていたのでピッタリな本でした。

 

・デコれるアクセサリー『デコッティー』を開発した20代の女性2人

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前フリで700字近く書いてしまいました…。

先ほど、「10組(11組)」と書きましたが、つまり、1組だけ2人として取り上げられている会社があるということです。それが「タカラトミー」の女性社員2人。さらにいうと、彼女たちは紹介されている10組の中で唯一「中の人」なんです。つまり社長でもなければ編集長でもない。この書籍を通してみてもこの章だけ明らかに異質なオーラが出ています。

さて、『デコッティー』というのはタカラトミーが2008年に発売した手作りスイーツアクセサリーキッドという、自分で一から作って、さらにデコレーションができるアクセサリのことです。

開発者の平林千明さんと前田菜々さんは当時ともに20代、同じ新規事業本部で『デコッティ―』のアイデアを思い付いた2人でしたが、まぁ、当然のごとく周りの上司は「おじさん」ばっかり……

 

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・認めてくれた「おじさん」たち

 

「おじさん」にとって「でこ」れる「すいーつ」の「あくせさりぃ~」なんて、おそらく女子中高生が日経新聞を読むくらい意味不明なことのはずで、普通の会社だったらまずこんな提案は却下されるはずなのですが、そこはおもちゃの会社タカラトミー。

 

『僕たちには感覚がわからない。けど、君たちがそれだけ自身があるなら、やれるだけやってごらん』

 

優しすぎる…。。関根勤さんとかが上司だったらこんな感じなのかなぁ…。

タカラトミーには「まずやりたいことを進めてみる」というという風土があり、このアイデアが埋もれることはありませんでした、でも、この1つのアイデアの裏で世の中では99のすばらしいアイデアが闇に葬られていっているのかもと思うとなんだかもったいないような気がしますね。

 

・熱意が人を動かす

 

上司のOKが取れたらすぐに彼女たちは動き出します。『デコッティー』を作るためにはもちろんクオリティーの高い「スイーツ」が必要なわけで、彼女たちはパティシエ界では有名すぎるくらい有名な辻口 博啓さんにアポをとります。

 そして、彼女たちはアポの席で信じられないことを……

 

市販のタルトにニスを塗ったものを持っていき、辻口さんの前でそのタルトにクリームに似せたシリコンを絞って、

 

『これくらいリアルなものを作りたい…(後略)。』

 

パティシエの前でスイーツにこんなことをするなんて本来であれば失礼極まりないことですが、辻口さんは

『あんたたちのパワーはすごかったよ。あんなものもち込んでさ……』

と快諾してくれます。こういう、アポに来た相手の地位とか、名誉とか、お金とか、そういったものを一切抜きにして(もちろんあったのかもしれませんが。)「やりたいからやる」「この人のためだったら協力できる」っていう仕事のしかたって、憧れるし、ホントに尊敬できます。

 

・社内に味方をつくる

 

『デコッティー』の売上を大きく左右したかもしれないことに、「箱の形」があります。普通、商品のパッケージは在庫として保管しやすいように立方体である必要があるのですが、彼女らはどうしても取っ手が付いた「ケーキの箱」にしたかった

『購入を決めたお客様にはワクワクしながらレジまでもっていってもらいたい』と。

 もちろん上司からいったんはNGがでましたが、強行突破で説得に成功したそうです。

 

さらに、開発の途中でも男性社員から『本当に売れるの?』と、いちゃもんが付くことも多かったそうです。そこで彼女たちは女性社員に声をかけて『デコッティー』の組み立てを体験してもらいました。評判はとてもよく、そういった女性社員を味方に付けることで開発は一歩一歩進んでいったそうです。そして……大ヒット。

 

・可能性は誰がつぶしている?

 

導入部分で、「たとえ大企業の中にいても行動力と戦略さえあれば、20代の社員でもすばらしい商品を生み出せる」と書きましたが、「生み出せる『可能性がある』」という風に訂正しなきゃな、と感じています。

20代で会社に入ったばかりだから、「バカ」だし、ビジネスの仕組みやタブーもわからないかもしれない、でも、それにしては若い人たちが生み出す独創的なヒット商品って少ないと思うんです。だって、今回紹介した20歳の女性2人が生み出した『デコッティー』という商品が書籍に取り上げられたということは、つまり、そういうことの裏っ返しかもしれないわけで…。

その芽を摘んでいるのは上司かもしれないし、社長かもしれないし、当回しには株主なのかもしれませんが、まぁ、失敗が増えすぎるのも問題かもしれませんが、

もう少し長い目で、自由度を持たせてあげるのもいいんじゃないかなぁ~という感じです。

 

ところで、「握って動く扇風機」ですが、こちらの開発者は調べても分かりませんでした。もしかしたら開発したのは20代の筋肉ムキムキの若手社員だったりして……(^.^)