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「ネット選挙」解禁と引き換えに政治家に求められる責任

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いま、ニュースやなんかで「ネット選挙」だのなんだの報道されていますが、もちろん可能になるのはネットでの「選挙活動」のみ。投票まではできるわけではありません。

それで、やっぱり若者にとっては選挙なんて「ダルいし」「メンドいし」「どーせ自分が投票しても世の中変わんねーし」という心意気で投票する人が少ないわけですが、まずは、なんでその他の世代の人って投票するの…?

というのを、年齢ではなくあくまで産業レベルなのですがモデルとして調べているものがあったので日本評論社の『国際経済学入門』という本を参考にしながら紹介したいと思います。

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  1. 圧力団体モデル……“メンバー数の少ない利益集団ほどフリーライダー問題を回避して団結しやすく、強い政治的圧力をかけることができる”というモデル。

    フリーライダーというのは、今回の投票の例でいうと「どうせ俺が投票しなくても他の人が投票するからいいやー」という感じです。
    電車のホームに人が転落した時に、周りに人がたくさんいると助ける気にはならないけれども、周りに自分一人しかいなかったら「助けなきゃ!」と思うのにも近いかもしれないですね。(これにはなんとか現象だか効果だか名前が付いています)

  2. 集票器モデル……“その産業が地理的にも企業集中という意味でも拡散しているほど多くの選挙人を獲得することができる”というモデル。

    多分これはすんなりと受け入れられるのではないでしょうか。そのまんまですね。

  3. 3つ目には名前がついていないのですが……“利益集団の組織化は、輸入の急増や雇用の減少など、その産業にとっての危機が引き金になる”という考え方。

    その人にとって相当なダメージのある出来事が起これば、「さすがにヤバいよね…」となって投票に行き出すわけです。

 

・ネット投票(活動)解禁で何が変わる?

 

上を見ていて、やっぱり大事だなぁ、と思うのはやはり素直に「投票に行くメリットがデメリットを上回っているかどうか」です。「デメリット」というのは投票に行くことによって失われる睡眠時間だったり、お給料だったり、家族サービスだったり、何でも構いません。簡単な言い回しにしましたが、つまりは「機会費用」です。

 

結局のところ、投票に行かない人を行くようにさせるためには、投票することによる

 

  • メリットを上げる
  • デメリットを下げる

 

この2つ以外にありえません。

 

本当の意味でネット選挙を解禁、つまり、ネットで投票までできるようになれば、確実にこの「デメリット」は少なくなります。お金も、時間もかかりません。

でも、今夏の参院選ではこの手は打たれません。

 

じゃあ、その参院選で政治家に何が求められるかというと、

 

「メリット」を上げること。

 

「あなたの身の回りはこんなに政治とつながっているんだよ」「選挙に行けばこんなことが変わるかもしれない。あんなことが実現するかもしれない。」

と、投票に行くことの興味を引き出させること、そして投票率をなんとしてでも上昇させること。

 

それが「ネット選挙」を解禁させた政府(政治家)の義務であるとともに、大切な責任だと思っています。