まっしろなブログ

地域活性化に関わることをやっています

伊豆大島で自然を学ぼう!火山の島を徹底紹介!

スポンサーリンク

ジオパーク認定された伊豆大島

「ジオパーク」とは、地球(ジオ)に関わる重要で貴重、もしくは美しい自然遺産や地質遺産などを有する自然公園のこと。具体的には地層・岩石・地形・火山・断層などを含む場所や地域のことを指します。

火山の島である伊豆大島はジオパーク認定されており、島内には「地球は生きているんだ!」と実感できるような魅力的なジオサイト(ジオパークを特色づける見学場所や拠点のこと)がたくさんあります。

「ジオパークガイド研修」というものも始まっており、観光客としてジオパークに訪れるだけではなく、ガイド側としてジオパークに携わりたいと考えている人が増えてきていることの証だと言えるでしょう。

裏砂漠

f:id:tom-w:20140502151315j:plain

伊豆大島にある裏砂漠は、日本で唯一「砂漠」という名のついた場所です。見渡す限り黒い砂で覆われており、歩いても歩いても延々と砂漠が続く風景は、まるで異世界に来てしまったかと錯覚するほどに神秘的で幻想的です。

そんな裏砂漠は、三原山の度重なる噴火による火山灰が積み重なってできたものなのです。まさに、火山島である伊豆大島ならではの自然景観だと言えますね。

車で伊豆大島一周道路から「月と砂漠ライン」に入り、しばらく走るとある駐車場から10分ほど歩くと見晴らしの良い展望台に到着です。距離はそれほど遠くはありませんが、目印のない道を行くので迷わないよう注意してくださいね。

1986年の大噴火と島民避難

f:id:tom-w:20160628113807j:plain

伊豆大島の三原山では、約2万年前から現在に至るまで100~200年毎に1回の間隔で大噴火が起こったと考えられています。

一番最近起こった大噴火は1986年(昭和61年)のこと。11月15日に山頂の竪坑状火孔で始まった噴火は、火口茶屋が消失し溶岩が800m流れだしたものの、噴火を見ようと観光客が訪れ島が歓迎ムードに包まれるなど、最初のうちは比較的のんびりした雰囲気だったのです。

しかし、噴火開始から6日後の11月21日にカルデラ北部で地震が頻発しカルデラ床からの割れ目噴火となりました。さらに、外輪山外の北西山腹からも割れ目噴火が起こり、溶岩が元町集落に迫ったのです。噴火のさらなる被害拡大が懸念されたため、全島避難が決定し、およそ1ヶ月間の避難生活を送ることとなりました。

三宅島の噴火でも全島民避難

伊豆大島の南57kmに位置する三宅島も、雄山を中心にしばしば激しい噴火が起こる島としてよく知られています。

全島避難となる大噴火は2000年に起こりました。6月26日に群発地震が始まり、気象庁が「緊急火山情報」を発表。火山活動は一旦は沈静化したものの7月4日から再び活性化し、7月8日には雄山で水蒸気爆発が発生したのです。ついで18日・29日には大規模な噴火が起こり、火山弾の被害や火砕流発生の報道などに後押しされる形で、9月2日から全島民が島外へ避難することとなりました。

2005年2月1日に避難指示が解除されるまで、実に4年5ヶ月におよぶ避難生活を強いられることとなったのです。長期間に渡った避難生活ゆえ、東京や伊豆諸島の他の島に生活基盤を移した人々も少なからずいましたが、2010年ごろには約3000名の島民が帰島しています。また、2005年5月1日からは観光客の受け入れも再開されています。

しかし、帰島10周年を迎えた2015年2月になっても山頂周辺は立ち入り禁止区域に指定されているのです。

PVや映画のロケ地としても

f:id:tom-w:20160710212417j:plain

三原山が生んだ伊豆大島随一の観光スポット・裏砂漠は、その異世界的な魅力から様々な映画やドラマ、PVのロケ地として使われています。例えば、荒廃した未来を描いたドラマ「ロング・ラブレター~漂流教室」やBUMP OF CHICKENの「ロストマン」PV、乃木坂46の「指望遠鏡」PVなどで裏砂漠を見ることができます。

ロケットの打ち上げ実験も

伊豆大島では、ロケット打ち上げ共同実験も行われています。毎年3月と11月に、全国のハイブリッドロケットを製作している大学生の学生団体が裏砂漠で打ち上げを行っているのです。

大島町の協力の下、学生主体で運営・実施されているこの実験は、2011年3月に初回打ち上げを行う予定でしたが、東日本大震災の発生により延期になりました。

2011年6月に初めての打ち上げ実験が行われてからはや5年、2016年3月には第10回共同打ち上げ実験が行われたのです。第10回からは大島町の小中学生を対象としたサイエンス教室も同時開催されるようになりました(次回開催は2017年3月の予定)。

大島は自然災害ととなり合わせ

f:id:tom-w:20140623141733j:plain

伊豆大島で起こる災害というとまず火山の噴火が思い浮かびますが、実は他にも自然災害が起こっています。

例えば、2013年に起こった土砂災害。2013年10月16日、台風26号の豪雨によって伊豆大島の降水量は多い時には1時間で100mmを超え、24時間では800mmに達したのです。伊豆大島におけるここ20年ほどの月間平均降水量は多い時でも600~800ミリ程度ですので、1ヶ月分の雨がたった1日で降ってきたと考えればどれだけ激しい雨だったのか想像できるでしょう。この豪雨により土砂災害が発生し、死者は36人、行方不明3人、重軽傷者22人、家屋の全壊が50棟、半壊が26棟、一部破損が77棟という大きな被害を受けてしまったのです。

このように、伊豆大島は火山の噴火も含め自然災害と隣りあわせの島だと言わざるを得ません。しかし、災害が起こった際の経験などを元に防災や復興に力を入れることによって発展してきたという面も、大島にはあるのです。

ジオロゲイニング

ロゲイニングとは、山野にたくさん設置されたチェックポイントを地図やコンパスを使ってまわる野外スポーツのこと。制限時間内にできるだけ多くのチェックポイントをまわり、得点を競います。オリエンテーリングと似ていますが、チェックポイントを順番通りにまわらなくてはいけないオリエンテーリングとは違って、ロゲイニングはポイントをまわる順番は自由であることが特徴です。

ジオに関わる様々な自然遺産を含む公園である「ジオパーク」で開催されるロゲイニングが「ジオロゲイニング」と呼ばれており、伊豆大島では、毎年秋にジオロゲイニング大会が開催されています。競技種目は「6時間」と「3時間」の2種類あるので、スキルや体力に合わせて選ぶことが可能。チェックポイントは、特徴のある溶岩やお地蔵さん、街中の看板など自然から人工物まで多種多様。タクシーや自転車はNGですが、路線バスの使用は認められているのでうまく使えば長距離移動も可能です。

観光スポットメインにまわるのもよし、豊かな自然を満喫するのもよし、様々な楽しみ方ができるロゲイニング大会なのです。火山の噴火により複雑に構成された島の地形や、大島の歴史・文化遺産に設置されたポイントを自らの足でまわれば、ジオパークとしての伊豆大島の魅力を存分に堪能することができるでしょう。

伊豆大島観光大全!!