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くさや、伊豆諸島の特産品の作り方からおいしい食べ方まで紹介!

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くさやとは

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くさやとは、新鮮な魚(ムロアジ類やトビウオ類、シイラなど)をくさや液に漬け込んだ後に干したもの。いわゆる干物の一種であり、伊豆諸島(特に新島、八丈島、伊豆大島、三宅島)でよく作られています。塩辛さを感じるもののまろやかな旨味のある味わいが特徴です。しかも食べて感じる塩辛さほど塩分は高くありません。

また、くさや最大の特徴は、その独特の匂いです。銀杏を思わせる強烈な不快臭がするため、臭いを嗅いだだけで無理!食べたくない!と拒否してしまう人も少なくありませんが、個性的で強い旨味のある味わいゆえ大好物だという人も、また少なからずいるのです。

くさやの味や臭いの決め手となる「くさや液」は、古ければ古いほど美味しいくさやを作ることができるのだとか。くさやの製造業者はこのくさや液を家宝として代々受け継いでおり、中には200~300年も受け継がれいるくさや液もあるのだそうです。

くさやの歴史

くさやは長い歴史のある食べ物で、江戸時代には献上品だったという記録も残っています。当初はただの塩水に魚を漬け込んだ後に干しただけの単なる干物でした。しかし、当時は塩や水が貴重だったので塩水を使いまわしていたところ、魚の成分が蓄積し、更に微生物が作用することによって発酵し独特な味と香りのするくさや液の原型が出来上がったと言われています。

一方でこんな説もあります。昔、ミサゴという海鷹が捕った魚の残りを岩陰に隠していました。この魚に海水がかかり自然に発酵したものがくさやの原型で漁師が見つけて食べた・・・とする文献も残っており、性格な発祥についてははっきりわかっていません。

正確な発祥地に関しても不明ですが、伊豆諸島内では新島発祥とする説が有名です。なお「くさや」という名前は臭いからその名が付けられたと言われていますが、いつ頃付けられたのかなどはこれまたはっきりわかっていません。

くさやの作り方

新鮮な魚を開いてよく洗い、くさや液に漬け込みます。こう書くと簡単に思えるかもしれませんが、実際は内蔵や血合いをキレイに取り除かなくてはいけなかったり、洗うのに地下水を使ったり、くさや液が薄まらないようにしっかり水気をきったりと、質の良いくさやを作るためには丁寧な作業が行われているのです。

くさや液に漬け込んだ後、干すことにより塩分がアミノ酸に変わっていくので甘味や旨味が増していくのだそうですよ。

くさやの栄養価

発酵食は総じて栄養価が高いものが多いのですが、くさやも実に栄養満点な食べ物で、良質なカルシウムやタンパク質、アミノ酸が普通の干物と比べると豊富に含まれているのです。

特にカルシウムは、普通のアジの干物の20倍以上も含まれているのだとか!タウリンや発酵菌の働きによるビタミンB群も豊富に含まれているので、疲労回復にも効果がありますよ。

他には、エイコサペンタエン酸(EPA・コレステロールの低下や花粉症の緩和に効果あり)とドコサヘキサエン酸(DHA・頭を良くする栄養素でおなじみ)がサプリメント並にたっぷり含まれています。

美味しいだけではなく栄養満点のくさや。臭いからって食わず嫌いではもったいないですね。

伊豆諸島で取り扱っているお店

やまよ商店

〒100-0212大島町波浮港1 

04992-4-0024
伝統の味を守り続けて200年の、くさやの老舗。タカベ、ムロアジ、トビウオなど定番のくさやが揃ってます。

 

くさや藤文商店

〒100-0211大島町差木地クダッチ 

04992-4-1138
300年の歴史がある老舗。サンマや真アジ、サメなど珍しいくさやもあります。

 

豊田屋

〒100-0101大島町元町1丁目17-2 

04992-2-2285
くさややサザエなどの海の幸を焼いて食べれるお店です。

 

みや藤

〒100-0402新島村本村6-4-14 

04992-5-0053
柔らかくて美味しい超生干しや、噛めば噛むほど深い味わいが楽しめる硬干しなど様々なくさやがあります。

 

菊孫商店

〒100-0402新島村本村3-1-2 

04992-5-0052
そのまま冷凍・冷蔵保存でき臭いも気にならない真空パック商品が揃ってます。

 

長田商店

〒100-1511八丈島八丈町三根789 

04996-2-1037
水揚げされた魚がわずか38秒で加工場に届くので、超新鮮なくさやが自慢のお店です。八丈島のくさやは臭いがマイルドで食べやすいのが特徴です。

 

清漁水産

〒100-1101三宅島三宅村神着1118 

04994-2-0314
2000年の噴火による全島避難で三宅島のくさや製造は壊滅しましたが、2005年に製造を再開したお店です。

くさやのおいしい焼き方

くさやは干物なので、シンプルに焼いて食べるのが一番。美味しく焼くには弱火で皮目7分、裏返して5分程度が目安です。

焦げやすいので放置せず、焼き加減を確かめながら弱~中火でじっくり焼くようにしましょう。グリルを使う場合は皮目を下にするとキレイに焼けますよ。また、古くなってしまったくさやはお酒を塗って焼くのがオススメです。

くさやを焼くときに気をつけなくてはいけないのがその「強い臭い」。自宅で焼く場合、1週間経っても臭いが消えなかった・・・なんてケースもあるようです。

アルミホイルでくるんだり、グリルの下皿に水を入れたりした状態で焼くと臭い防止に効果あり。

アレンジしても美味しい

焼いてそのまま食べる以外にも、オススメのアレンジを紹介します。

くさやのピリ辛和え

焼いてほぐしたくさやをマヨネーズと七味で和えただけの簡単なおつまみですが、マヨネーズのコクとピリ辛の七味がくさやによく合います。和えずに、ほぐしたくさやにマヨネーズと七味を付けて食べても美味しいです。

お茶漬け

塩気があるくさやはお茶漬けにもぴったりです。さっぱりいただけますね。島のりやあおさ、とろろ昆布などをトッピングするとますます美味しいですよ。

くさやチーズ

市販のものもありますが、焼いたくさやをほぐしてクリームチーズで和えるだけで簡単に作ることができます。食べやすいのでくさや初心者にもオススメのアレンジです。

くさやピザ

市販のピザに焼いてほぐしたくさやをトッピングするだけの簡単アレンジ。くさやはアンチョビの様な感じで使うこともできるんです。

くさやの酢漬け

焼いたくさや50gをほぐして酢100cc・唐辛子1本・しょうゆ大さじ1で漬け込むだけ。臭いが和らいで食べやすくなります。プラスチックのタッパーだと臭いが取れなくなってしまうので、ガラス製のものを使うかラップを敷いてから漬け込むようにするといいでしょう。

くさやには焼酎

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くさやに合うのはやっぱり焼酎!伊豆大島のくさやをいただくときは、伊豆大島の焼酎を合わせたいですよね。伊豆大島で有名なのは谷口酒造の本格焼酎「御神火」。幾つかの種類がある御神火焼酎ですが、どの焼酎にも共通する独特の香ばしさや厚みのある味わいが、くさやの個性的な味わいや強い旨味に負けることがないので共に楽しむことができるのです。

伊豆大島観光大全!!