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「ら抜き言葉」は間違い?それとも言葉の進化?

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「ら抜き言葉」とは

多くの大人が若者(だけでもないらしい)の言葉遣いでイラっときてしまうものの一つに、「ら抜き言葉」があるようです。例えば、何かを「見ることができる(可能)」という意味合いで、現在の文法上、正しいとされているのは「見られる」ですが、ここから「ら」を抜かして「見れる」と言う人が多くいます。
採用試験の面接官などは、このような言葉遣いにかなり注目しているようで……

「他人と会話をしていれば、普通は『ら抜き言葉』に違和感を抱いて修正できるはず。それができていないということは、その程度のレベルの集団に属していたという判断をしてしまいます。コミュニケーション能力にも関わりますし、ハイレベルなプログラマーを除けば採用に当たって考慮に入れざるを得ません」
「ら抜き言葉」は、そんなにいけないものなのか

という、たくさんの人を敵に回してしまいそうな考えを持っている方もいます。

「ら抜き言葉」の見分け方と法則

いったん、とても簡単なので、「ら」を付けないといけないパターンと、外していい(外さないといけない)パターンの法則を!


  • 動詞が五段活用・サ行変格活用のとき→「れる」
  • それ以外のとき→「られる」


です。五段活用は、否定をするときに「あ」の段の音が出てくる言葉で、例えば「行く」を否定にして「行かない」といったぐあいの言葉。てなわけで、「行くことができる(可能)」という意味合いを出したければ、「ら」は必要なく「行ける」で問題ありません。「れる」の「れ」は、え段の音に変わっています。サ行変格活用は「~する」、「愛する」みたいな感じです。こちらは「愛せない」になります。

それ以外はぜ~んぶ「ら」を付けるのが正式な文法とされています。

  • 「見れる」→「見られる」
  • 「来れる」→「来られる」
  • 「着れる」→「着られる」


こちらが「正しい」言い回しです。個人的には意識して言わないようにしてはいるのですが、多分、どこか気付かないうちに絶対使っている気がします。「お前さぁ、明日何時に○○に来れるぅ~?」とか、まず使ってますね。逆に「来られる?」なんて言ったら変に改まっている雰囲気すら出てきて……


だた、日本語は不思議なもので、というか、単なる個人的な感覚でしかないのですが、会話をしている相手が「信じれない」や「覚えれない」「起きれない」のような言葉を発すると、何というか、言葉では表しづらいのですが、「オエッ、、!」という気持ち悪い感覚になってしまいます。この差、人によるボーダーラインはどこから生まれてくるのでしょう…?ホント不思議。とはいえ、ら抜き言葉が普通になる時代は確かにやってきています。
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写真のチョイスがミスマッチなのは気にせず…!

「ら抜き言葉」は正しい?

思い出して下さい、中学生時代を。あの忌まわしい過去を。


そうです。助動詞の「られる」です。この子には「尊敬」・「可能」・「受身」・「自発」の4つの意味があって、使う側と使われる側がお互いに頭をフル回転させて発狂し合わなければいけなかったわけです。自発って何だよ自発って。。勝手にしてなさいよもう。


というわけで、現代の若者はこの強力な敵に立ち向かっていったわけです。”「ら」を取って「れる」を可能の意味だけにしてしまおう!”と。そして生まれたのが「ら抜き言葉」。実はこの「ら抜き言葉」こそが正しい使い方だとしている地域もあって、

本多勝一『日本語の作文技術』によると、彼の故郷の長野県伊那谷では、「ら抜き言葉」こそが正しい日本語で、可能の意味での「見られる」「食べられる」は、 いわば「ら入り言葉」として非難されるといいます。
「ら抜き言葉」を推進しよう

みんなが使っている言葉の中から法則を見つけ出したものが「文法」なわけで、使う言葉が変わってくれば、もちろんその文法だって変わる可能性も出てきます。実は、1993年から1995年にかけて文部科学省の国語審議会で「ら抜き言葉」を正式に認めるかどうかが話し合われた結果、「共通語とはしない」という判断がなされていています。さて、今だったらどうなるのでしょう。

ちなみに関西弁では……

受身:食べられる
可能:食べれる
尊敬:食べはる
という区別があります。もちろん関西人でも標準語を意識して話すときはら抜き言葉は使いません。
「ら抜き言葉」と時代背景…

なんだそう。確かに聞くことは聞きますが、使っている方々は明確に意識なさっているのでしょうか。

「さ入れ言葉」

おまけ程度に「さ入れ言葉についても」紹介したいと思います。こちらは「ら」を抜いてしまうのではなく、「さ」を付けてしまうもの。「~させていただく」と丁寧な意味を付けたい場面で、

  • 行か(さ)せていただく
  • しゃべら(さ)せていただく
  • 乾杯の音頭をとら(さ)せていただく

などとしてしまうものです。本人としてはふんだんに丁寧な雰囲気を出したかったところが、相手にしてみれば不快に感じてしまうかもしれないという危険な使い方です。なぜかというと、「せる」「させる」という助動詞には「使役」の意味があるから。。。おー怖い。

使いがちな「ら抜き言葉」一覧

最後に、気付かぬうちに使ってしまいがちなら抜き言葉の一覧をリストアップしたいと思います。

「生きられる」→「生きれる」
「いられる」→「いれる」
「起きられる」→「起きれる」
「決められる」→「決めれる」
「着られる」→「着れる」
「食べられる」→「食べれる」
「出られる」→「出れる」
「投げられる」→「投げれる」
「逃げられる」→「逃げれる」
「寝られる」→「寝れる」
「見られる」→「見れる」
「よけられる」→「よけれる」

基本として正しい使い方を知っておいたうえで、あえて相手によって使い方を変えるのも一つの手かもしれませんね。

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