伊豆大島・まっしろなブログ

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貿易赤字から日本はどうやって立ち直ればいいの?

この前の内容

先日に書いた内容『中国が経済回復のために進みつつある道と、日本との関係』で、はてなブックマークの中に少し気になるコメントがありました。

ちょっとその前に前回の内容をかんたんに整理しておきます。

このところ成長が鈍ってきている中国が、再加速への起爆剤として海外マネーを呼び込むために、国内の株式市場への外資の投資規制を緩和した。


・この動きの裏には、中国政府がリーマンショックから抜け出すために多額の財政出動をしたことが関係している。つまり、その「借金」の返済がこれから押し寄せてくることによって国内産業を支援するだけのお金が手元になくなってくるため、外資に頼らざるを得ない。


・しかしながら、外資を呼び込んだとしてもこれまでと同様の成長を続けるのはかなり厳しい。中国の出生率は日本よりも低く、今年から生産年齢人口も減少することが予想されているため、じきに生産能力は落ちて、貿易赤字に陥ってしまうかもしれない。


・そして、貿易赤字という意味で「悪いお手本」として中国より先に危機を迎えているのは、何を隠そう日本である。

こんな感じでしょうか。日本はすでに貿易赤字になっていて、2016年からは経常赤字に陥ってしまうと考えられています。

貿易赤字なのに「なんで2016年までは大丈夫なの?」ということに関しては、大まかには日本が外国に資産を持っていて、その利子が貿易赤字を打ち消してくれているからです。資産というのは、例えばアメリカの国債などをイメージしてもらってOKです。
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貿易赤字はどうやったら減る?

エネルギー政策について

「気になるコメント」というのは、「どうやったら貿易赤字を解消できるか?」ということに関係して、


「費用対効果」の高いエネルギー資源を使用すること。


これに答えを求めようとすることです。確かに、地震に続く原子力発電所の問題があった後、日本はこれまで以上に石油などのエネルギー資源の価格の変動を受けるようになって、国としてかなりリスキーな状況になっています。『財務省貿易統計』によると、事実、年間の輸入額である約70兆円に対して、エネルギー資源の輸入額は約20兆円にも上っています。

しかし、エネルギー政策としてLNG(液化天然ガス)やシュールガスの利用の話も盛り上がってきてはいて、ある程度これからに期待が持てるのではと、個人的には感じています。少なくともエネルギーに関しては自給すべきと思っています。(食料自給についてもいつか書きたいと思っています…!)

原子力発電に関しては、リスクが0でないこと、そして、そのリスクが計測・推測できない以上は、現実的に厳しいという立場ではいます。

完全な余談になりますが、『医療幻想』という本の中で

日本でがんになる人の3.2%がレントゲン検査による被爆が原因という結果が出ている。

というのを見てから、「被ばくって怖いな~・・」と心から感じています。子供の時に虫歯でいっぱいレントゲン撮ったなぁ~。。汗

輸出品の弱さ

大事なところはこっちなのですが、まず目を向けるべきは輸入ではなく輸出ではないでしょうか。

もう一度『財務省貿易統計』に登場してもらうと、日本の2012年度の輸出額は約64兆円、リーマンショック前の2007年が約83兆円なので約20兆円も減っていることになります。

さすがにこれだけの額が「実質的」に減っているのではなく、円高の影響が含まれています。

しかし、輸出額が減った理由は円高で全て説明できるわけではありません。『日本は赤字国家に転落するか』から数値データを引用します。

・2007年半ばに1ドル=120円弱だったドル円相場は、2012年には80円前後で推移しており、約3割の円高


・輸出に占めるドル比率は約5割(決済通貨のことです。)


・2007年7-9月から2012年4-6月期までの輸出金額の減少は21パーセントであり、このうち19.5%が輸出価格の下落によるもので、残りの1.5%が輸出数量の減少によるもの

で、これらから何が導き出されるかというと、約20%の輸出価格の下落のうち、為替で説明がつくのは約15%であって、残りの5%は説明がつかないということ。つまるところ、日本製品は確実に価格競争にさらされているということです。

以前のブログでデジタルカメラの例を出したことがあるのですが、いくら「性能」「機能」と開発に打ち込んで製品の質が上がったところで、その製品の値段が下がってしまっては会社には何の利益も落ちてきません。

国内の消費者物価が2007年と2012年では約1%(基準値ベースで)しか落ち込んでいないのにもかかわらず、輸出製品の値段だけが5%も下がるというのは、かなり異常なことだと思います。


日本みたいにモノが作れる国はたくさんあります。これからもどんどんそういった国は増えていく…。その中で消費者が本当に欲しいと思う製品はどういうものなのかを見極めていく必要があるはずです。それは絶対に、長期的に考えるとこれまでみたいな開発競争で得られるものではないし、かと言って値段を下げることでもない。


やはり、アップルやスイスの時計など、製品としてのブランド、さらには、大前研一さんが言うように観光としてのブランドなど、「ブランド」を利益の源泉にしていく他はないのでは…?こう思っています。